ヒロクランツさん特集の終わりにあたって

ヒロ クランツさん特集・最終回!
今回は弊社のヒロクランツさんのファンによる、ケーキやお店の紹介です。


ヒロクランツさんとの出会い

はじめてヒロクランツさんを訪れたのは、10年くらい前です。異人池にあるフランスレストランに行く途中に、オーストリアの国旗を掲げた小粋なお店に気付きました。それからしばらくは、ときどき休日にお店でケーキを買うだけでした。何回か訪問するうちに、お店でもケーキを食べるようになりました。詳しくは弊社・サンタクロース特集のヒロクランツさん特集第一回をご覧ください。

 

特製サンタクロースクッキーを作ってもらうまで

「サンタクロースクッキー」を作っていただく前に、実はもうひとつ、ヒロクランツさんに作っていただいたクッキーがあります。それは「冬ソナクッキー」です。
弊社の除雪機が冬ソナのロケ地・竜平スキー場に使われており、それを記念して「冬ソナキャンペーン」を行いました。そのキャンペーンの一環でヒロクランツさんに作っていただいたのが「冬ソナクッキー」です。
「冬ソナクッキー」は、ドラマ「冬のソナタ」でチェ・ジウが身に付けていたポラリスネックレスを模ったクッキーでした。
「冬ソナクッキー」を差し上げた男性のお客様の反応は、?でした。
ところが、「冬ソナクッキー」を、会社や家に持ち帰ると、女性社員や奥さんに大人気で、その反響に驚いたそうです。
お菓子作りが忙しい御主人は、オリジナルの「冬ソナクッキー」を作るのは、大変だったようです。
店長の奥様が、冬ソナのファン(筆者の想像ですが・・・)で、ご主人に熱心に話をして下さいました。

この「冬ソナクッキー」のご縁で、ヒロクランツさんと親しくお付き合いさせていただくようになりました。
「冬ソナクッキー」の写真ですが、食べるのに忙しく撮影するのを忘れてしまいました。
お見せできないのが残念です。
今では、幻のクッキーです。

サンタクロースクッキーについて、詳しくは弊社・サンタクロース特集のヒロクランツさん特集第三回をご覧ください。

 

ヒロクランツさんのケーキについて

・ザッハトルテ

ヒロクランツさんの代表的なケーキです。
ザッハトルテは、デメルとホテルザッハとの本家争いが有名です。ヒロクランツさんのザッハトルテは「ホテルザッハのザッハトルテ」を思わせる味です。本家であるホテルザッハを凌ぐ味かもしれません。

ヒロクランツさんのザッハトルテは、小粋なボディで、酸味のきいた、爽やかな切れ上りのケーキです。はじめに、まろやかな甘みが、その後酸味がゆっくりと口の中に広がります。しばらくするとその甘みが淡雪のような切れ上りで消え、ほのかな香りが心地よく、長く口の中に残ります。
濃厚なコーヒー、赤ワインあるいはフルーティーなシングルモルトとの組み合わせは、マリア・テレジアと夫フランツ・シュテファンを思わせます。

詳しくは、弊社・サンタクロース特集のヒロクランツさん特集第二回をご覧ください。

・イチゴタルト

日本のフルーツタルトは、お子様向けの具沢山で過剰な甘みのタルトが多いと思います。しかし、ヒロクランツさんのイチゴのタルトは、全く違い、甘みを抑えた深みのあるタルトです。
まさに、大人のお菓子です。
ご主人に、強く薦められてイチゴタルトを食べてみましたが、ウィーンで食べたフルーツタルトを思い出しました。
食後のデザートとして、ハーフボディで透明感のあるシングルモルトウィスキーとのアンサンブルをお奨めします。

・アプフェルシュトゥルーデル

アプフェルシュトゥルーデルは、兎角中身のリンゴの味が注目されますが、パイ生地も注目して下さい。ヒロクランツさんのパイ生地は、サックリとして美味しいパイ生地です。
勿論、紅玉で作られた果肉は、しっかりした歯ごたえがあり、パイ生地との素晴らしいハーモニーを奏でます。
詳しくは、弊社・サンタクロース特集のヒロクランツさん特集第四回をご覧ください。

・リンツァートルテ

ウィーンの販売会社の社長さんが弊社に来社した際、ヒロクランツさんのリンツァートルテをお昼のデザートとしてお出ししました。
一口食べて一言、「ここは、ウィーンだ!」
今でもその社長さんに会いますと、あのリンツァートルテは美味しかったと言われます。
ウィーン子もびっくりの逸品です。

・ドボストルテ

ハンガリー生まれのウィーン育ちのケーキです。
このケーキを考案したハンガリー人のドボスさんより名付けられました。ウィーンの街でよく見かける、ウィーン子も大好きなケーキです。
ウィーン・デメルのドボスよりも、甘さ控えめですが、いつまでも余韻の残る味です。
ケーキ生地とクリームが何層にも重ねられており、生地とクリームの味わいが、口の中で交互に繰り返し広がります。ケーキの上にのっているキャラメルが、ほど良い硬さで、ケーキの味をより一層奥深くすると共に、生地とクリームのハーモニーにアクセントを加えます。

 

・シュークリーム
お菓子の定番です。
素朴なお菓子だけに、ごまかしがききません。
それだけに、ケーキ職人の腕がよくあらわれるお菓子です。
ヒロクランツさんは、水を一切使用せずに、シュークリームを作っています。
その為、しっかりしたボディーのカスタードクリームですが、甘みの切れ上りがよく、もう1つ食べたくなる隠れた逸品です。

・シュトーレン
EUを代表するクリスマスのケーキです。
しっかりとした歯ごたえとしっとりとした感触が同時に味わえるケーキです。手抜きせずに生地作りをおこなっている為、このしっとり感は、長期にわたり保たれます。
EUのシュトーレンと比べて、控えめな味ですが、それだけに「家族と共に静かにクリスマスを過ごしてほしい」と思う御主人の気持ちがこめられているお菓子です。
雪の降る夜、暖炉の前で、冷たいダッチコーヒーあるいはフルボディーのシングルモルトウィスキーとシュトーレンが創り出す世界は、まさに大人の時空です。
詳しくは、弊社・サンタクロース特集のヒロクランツさん特集第五回をご覧ください。

・シュネーバレン:1〜3月の土日のみ

冬の代表的なウィーン菓子で、三度美味しいお菓子です。
一度目は、目で味わってください。
子供の頃の雪合戦を思い出します。
真っ白なパウダーが綺麗で、食べるのが惜しくなります。
二度目は、食べて味わってください。
三度目は、食べ終わった後に、テーブルの上に散らかった白いパウダーを掻き集めている時です。
食べたシュネーバレンの味が蘇ってきます。

詳しくは、弊社・サンタクロース特集のヒロクランツさん特集第六回をご覧ください。

・アンナトルテ:是非作ってください。
ヒロクランツさんにお願いしている幻のトルテです。
私はウィーンに行くと、しばしばデメルでアンナトルテを食べます。
仕事を終えて、デメルでアンナトルテが目の前に置かれると、私の胸にはワグナーの「ニュールンベルグのマイスタージンガー」が鳴り響きます。ヒロクランツさんのアンナトルテは、どんな音楽を奏でてくれるでしょうか?
一度食べてみたい「ヒロクランツさんのアンナトルテ」です。

 

・イッシュラートルテ
ドイツ風の、オーストリアの田舎のトルテです。ザルツブルグの近く、Bad Ischiが本場です。
ケーキの底に、ビスケットの台があります。これはドイツ菓子の特徴だそうです。バターを多く使ったザブレー生地からできていて、ほど良いこしのある、サックリした食感のビスケットです。
スポンジは、生クリームとチョコレートのスポンジが、交互に縦に重ねられています。生クリームは、スムーズな解け味、チョコレートのスポンジは、深みのあるしっかりとした作りのスポンジです。このお菓子は、クリームとスポンジが縦層になっている為、スムーズさと濃密さを同時に醸し出します。
濃厚なチョコレートケーキですが、味の切れ味は素晴らしくスムーズで、口の中に変な甘さがまったく残りません。
フレンチローストのエスプレッソとの組み合わせは、エスプレッソを甘みのある、それでいて深みのあるコーヒーにしてくれると思います。

・アイスコーヒー
ヒロクランツさんのアイスコーヒーは、ただのアイスコーヒーではありません。
なんと、水出しコーヒーをアイスコーヒーとして出してくださいます。
ザッハトルテと水出しコーヒーの組み合わせは、カフェ・コンディトライの醍醐味です。

 

ウィーンのケーキ

ウィーンに行く機会があったら、お薦めのお店を紹介します。
これらのカフェ・コンディトライは、ヒロクランツさんのご主人から教えていただき、ウィーンを訪れたときに実際に行ってみたお店です。

・デメル
ザッハトルテの本家争いで有名ですが、ケーキの味ももちろん素晴らしいお店です。
日本では、チョコレートやザッハトルテが広く知られていますが、私のお薦めは、アンナトルテです。
ウィーン子になった気分で、メランジェを飲みながら、あの大きな(bigでなくhuge!!)アンナトルテに挑戦してください。
あの甘さにはいささか閉口します。が、フレッシュなチョコレートの「とりこ」になります。食べた瞬間から、デメルのアンナトルテはヨーゼフ・シュトラウスの軽快な曲にのって、ポルカを踊りだします。そのあと、チョコレートの甘さが口の中をゆっくりと覆い、しばらくすると「美しく青きドナウ」のようにその甘さがゆっくりと流れ、さざなみを立てながら悠然と流れていきます。食べ終わる頃には、ヨハン・シュトラウスTのラデッキー行進曲(※)が奏でられます。
お土産にお薦めなのが、スミレの花の砂糖菓子です。早春を感じさせるお菓子です。
このお菓子は、以前はウィーンの本店でのみ販売していましたが、最近はウィーン空港のデメルでも販売しています。


※ラデッキー行進曲は北イタリアを鎮圧したラデッキー将軍を讃えて作曲された曲です。ちなみに現在その地方では、フジイの除雪機が販売されています。

・ホテルザッハのカフェテリア
なんといっても、ザッハトルテです。
兎に角、本家のザッハトルテを一度食べて下さい。
もう1つお奨めは、ランチメニューにあるサンドイッチやカナッペです。

・オーバーラー
ウィーン子が集まるウィーンのケーキ屋さんです。
チョコレートを使ったお菓子が、お薦めです。
ヒロクランツさんのご主人の話では、以前シューマッハという名職人が素晴らしいチョコレート菓子を作っていたそうです。
また、ここのトプフェンシュトゥルーデルもためして下さい。チーズをのせた、ウィーン版の菓子パンです。チーズデニッシュに近い味です。ウィーン子は、おやつに食べるようですが、お昼代わりに食べても、ひとつでお腹いっぱいになります。

・ハイナー
シュテファン寺院から延びているケルントナー通りにあります。
ディスプレーのメレンゲ菓子、マジパン菓子は必見です。マジパンで作った果物や野菜のケーキは、とても愛くるしいお菓子です。また、メレンゲで作ったお菓子は芸術品です。

 

ヒロクランツさんのケーキとウィーンのケーキ

ヒロクランツさんのケーキは、ご主人が若い時ウィーンで修行しただけあって、その味はウィーンのお菓子そのものです。
ウィーンのケーキと大きな違いは、大きさです。ウィーンのケーキは、日本人にはやや大き過ぎですが、ヒロクランツさんは日本人にあわせたケーキにしています。
お菓子の味では、ウィーンのケーキは大味なのに比べて、ヒロクランツさんのケーキは繊細で、奥行きがあります。
ご主人がウィーンの伝統的な手法を頑なに守ってお菓子を作っているので、ウィーンよりもウィーンらしいお菓子かも知れません。

 

ヒロクランツさんのケーキの楽しみ方

ヒロクランツさんは、カフェ・コンディトライです。
ただ単に、ケーキを買って帰るのではなく、お店でも食べてみて下さい。ご主人から、ウィーンのケーキの話、ウィーンでの修行時代の話など、様々なお話を聞けるかもしれません。口にだけでなく、耳にも「美味しいケーキ」を食べさせてください。
店長の奥様は勿論、職人肌のご主人も気さくな方なので、ケーキに関するいろいろな質問をしてみてください。親切に、その質問に応じてくれます。
ケーキ職人に話を聞きながら、ケーキを味わうのが、カフェ・コンディトライヒロクランツさんならではのケーキの味わい方と思います。

 

最後に

ヒロクランツさんには、いつも美味しいサンタクッキーを作っていただき、本当にありがとうございます。
お店でいただくケーキとオーストリアのケーキのお話は、休日の楽しみです。
ご夫妻で、これからも美味しいお菓子を作り続けて下さい。

 

 

ヒロクランツさん外観

ヒロ クランツ

住所:〒951-8104 新潟市中央区西大畑町615-17
TEL/FAX:025-225-1692 
営業時間:AM10:00〜PM7:00  定休日:毎週火曜日

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