第3回 協会会長賞 ME1022X


乗用草刈機ME1022X開発までの道のり

ME1022X開発当時は機能・性能を重視していたため、デザインは後回しにされ、最後に取ってつけたようなデザインになることが多くありました。しかし、この機種は「機能をデザインする」という考えのもと、機能・性能・デザインを同時進行で進めました。従来の機種は、角ばっていたり、ボルト等が表面上に出ていたため出っ張りの多い外観でした。そのため作業中に枝に引っかかったり果樹を傷つけたり等の問題が発生していました。それらを解決するために、たまごのようにつるんとした丸みある、つまり「果樹を傷つけない丸みを帯びたデザイン」を採用することになりました。


ME1022X

デザインは機械事業 開発部が担当しました。デザインがきまると、プレス事業の出番です。多くの乗用草刈機のカバー部はプラスチックでできていることが多く、すぐにひびがはいったり、ひび割れを防止するためにカバーを外し使用しているエンドユーザーも少なくはありません。しかし、鋼材事業・プレス事業を持つ弊社では、社内でプラスチックより頑丈な金属製のカバーが作成できます。金属製のカバーには、頑丈さと金属独自の高級感があります。開発部デザイン担当者とプレス事業 シミュレーション担当者で何度もミーティングを重ね、念入りなシュミレーションを行いました。この形状で絞れるか、スプリングバックは抑えられるか、デザイン的に納得できるか。全てを考慮し、新型草刈機のカバーが完成しました。

形状において無駄な丸みもラインもありません。全てに意味があり、機能を持っています。果樹を痛めない丸みを帯びた形状はもちろん、スプリングバックを防ぐライン、排気や空気の流れをよくするための穿穴の位置や大きさ、体に負担のかからないフラットステップなどはすべて、「機能をデザイン」した結果です。

 

MEシミュレーション

 

MEシミュレーション

  

 

 

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